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拠点リーダー挨拶

この度グローバルCOEプログラム「機能分子医学への神経疾患・腫瘍の融合拠点」が採択されました。このグローバルCOEは、平成10年から14年までのCOE形成プログラム「神経変性疾患と悪性腫瘍の分子医学」、平成15年から20年までの21世紀COEプログラム「神経疾患・腫瘍の統合分子医学の拠点形成」を発展的に受け継ぐものであり、名古屋大学大学院医学系研究科の中で10年以上に渡って続いて来た研究・教育拠点形成プログラムの更なる発展形であると言うことができます。今回のグローバルCOEでは関連の22講座が参画し、拠点形成を目指します。

21世紀には医学上の解決すべき多くの問題が残されています。中でも神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病、運動ニューロン疾患)や統合失調症などの神経精神疾患の病態解明とそれに基づく治療法の開発、および悪性腫瘍の有効な治療法、特に分子標的治療の開発は、その解決が最も望まれる課題です。一方、我々はこれまで神経疾患と悪性腫瘍はその病態に共通の分子機構が深くかかわることを明らかにし、これを標的として異分野の研究者が融合的に研究を推進することで、独創的な研究成果を生み出してきました。本プログラムはこれをさらに発展させて行こうとするものです。今回のグローバルCOEプログラムには研究・教育拠点形成に向けたいくつかの柱があります。これらの具体化に関しては、プログラム推進室、国際化推進室、教育推進室、広報推進室などを設け、有機的な運営を目指しています。

(1)機能分子医学の融合型研究の創出

世界をリードする研究を推進することが、言うまでもなく本プログラムの中心課題であります。「神経疾患と腫瘍に共通する機能分子の探求」、「機能分子を軸とする融合型研究の創出」、「機能分子を標的とする治療研究の推進」を三大ミッションとして掲げ、基盤的な基礎研究とともに治療や予防など、臨床応用に結びつく研究を推進していきたいと思います。基礎と臨床、神経と腫瘍、名大と海外研究機関など、異分野の研究者が融合して研究を推進することにより、研究の生産性を高めて行きたいと考えています。名古屋大学は腫瘍学と神経学に関して、先人の長い伝統の蓄積を有しています。本プログラムを通して名古屋大学の個性ある伝統の発展に結びつけられればと思っています。

(2)近隣研究機関との有機的連携

基盤組織である名古屋大学大学院医学系研究科に加えて国立長寿医療センター、愛知県がんセンターとの共同研究や研究者の交換を促進し、神経疾患と悪性腫瘍の克服に向けた一大教育研究拠点の形成を目指します。これらの研究所は各々前者がアルツハイマー病を中心とする神経疾患研究の、後者が総合的ながん研究の国内有数のセンターであり、既にいずれも名古屋大学とは連携大学院の関係にありますが、人的・教育的・研究的連携をさらに深めたいと考えています。また、環境医学研究所との連携もさらに推進する予定です。

(3)次世代を担う大学院生、若手研究者、国際的研究リーダーの育成

グローバルCOEの大きな柱は若手研究者の育成であり、教育プログラムでもあります。RA(45名程度)、特任助教・ポスドク(20名程度)、特任准教授・講師(4名程度)を雇用し、キャリアパス形成に向けた支援を行います。また次世代研究者には高度な専門知識とともに幅広い領域を俯瞰できる能力、国際性、社会性、自立性、独創性などが要求されます。本プログラムではCOE系統講義カリキュラムとしてニューロサイエンス、キャンサーサイエンス、トランスレーショナルリサーチ、ベーシックサイエンスの4つの系統講義のコースを開講し、体系的な基礎学力の養成を推進したいと思います。また、教育・研究支援センターを整備し、これを中心にした系統的実習プログラムの実施、さらには共同研究推進プログラムの実施、プログレスレポート会議や近隣研究所・海外若手研究者との合宿形式のNAGOYA グローバルリトリートの開催により、異分野融合を促進して若手の活性化を行っていきたいと考えています。

(4)国際性の環境整備

拠点の国際化は本プログラムの重要な柱です。共同・融合研究を促進し国際的なネットワークを広げるために、短期・中期の派遣・招聘を活発化していきたいと考えています。また、海外の若手研究者が恒常的にラボにいる環境を提供するために、外国人特任助教のポストを設けます。また現在交際交流協定を結んでいる海外12大学医学部への大学院生の参加を推進する一方、これらの大学から本拠点大学院への入学を促進するため、「外国人のための大学院入学促進プログラム」を始めたいと思います。NAGOYA グローバルリトリートでは、これらの若手外国人研究者も合宿に参加してもらいたいと思っています。また海外の著名研究者招聘による国際シンポジウムの開催や、教育・評価アドバイザー(客員教授)の助言を通して、国際化を推進していきたいと考えています。

拠点リーダープロフィール

祖父江 元 (Gen Sobue)祖父江 元 (Gen Sobue)
医学系研究科 教授
1950年名古屋市生まれ。1975年名古屋大学医学部卒業。1981年名古屋大学大学院医学研究科修了(医学博士)。米国ペンシルバニア大学留学、愛知医科大学第四内科講師、助教授を経て1995年より名古屋大学神経内科教授。2003年より2007年まで21世紀COEプログラム拠点リーダー。2005年時実利彦記念賞、2007年中日文化賞受賞。神経変性疾患の病態解明と治療法開発に取り組んでおり、特に運動ニューロン病に対する新規治療は、医師主導型臨床試験のレベルまで展開している。

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